日本ハムのドラフト1位吉田輝星投手(18=金足農)が16日、新球マスターへ意欲を見せた。理想はチームメートとなった14年沢村賞右腕、金子弌大投手(35)が操るチェンジアップだ。「冬の間に自分の投げ方を見つけた」と習得への自信を口にした。千葉・鎌ケ谷での新人合同自主トレは第3クール突入。18日に迫る初ブルペンに備えた。

掲げるテーマは「球速差」だ。吉田輝は、プロで成功するための秘策をしっかりと温めていた。習得を目指すのは、チェンジアップだ。きっかけは、奇遇にもチームメートになった14年沢村賞右腕、金子の言葉だった。「以前、記事で金子弌大さんが『変化しない変化球(チェンジアップ)が大事』と言っていたのを読んで」。変化は求めない。「ストレートが得意なので同じ軌道で投げたら球が全然、来ていなかったというイメージが最高です」と理想を口にした。

高校時代から練習はしていたが、夏の甲子園出場が決まり1度、封印していた。大会後、さまざまな握りを試すなど試行錯誤した結果、時間はかかったが「冬の間に自分に合った投げ方を見つけられた。結局(握りは)わしづかみになっちゃいました(笑い)」と、ようやくスタートラインに立った。

16日は遠投で、2日後に迫った初ブルペンに備えた。低い軌道でどこまでも一直線に伸びる球は、非凡の証し。「久しぶりに力を入れて投げたので、ちょっとばらつきがあった。(ブルペン入りまでに)しっかり合わせていきたい」と意気込むが「チェンジアップは、今のままでは(ブルペンで)投げられない。捕手の方に笑われちゃう」。キャッチボール相手のドラフト5位柿木蓮投手(18=大阪桐蔭)は「全然ダメ。球速差がないので、まだまだ」と手厳しい。「もうちょい、柿木とのキャッチボールで、あいつがびっくりするくらいのチェンジアップになったらブルペンで投げようと思います」と、ちゃめっ気たっぷりに笑った背番号18。開幕までに、完成を目指す。【中島宙恵】