沖縄・久米島キャンプでの1軍スタートが決まった楽天のドラフト2位太田光捕手(22=大商大)が、母校NO・1捕手を目指す。

広陵(広島)出身の捕手は他にも現在、巨人小林誠司(29)、広島の白浜裕太(33)と中村奨成(19)がいる。4人目となった太田はプロの先輩たちに気後れすることなく、レギュラー取りを狙う。

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開幕1軍とともに、太田が心に秘めた野望を口にした。「いずれは広陵の捕手の中で一番になりたい」。母校は現在、巨人小林、一昨年のドラフトで注目を集めた中村ら4人の捕手を輩出する。捕手出身の加藤康彦コーチ指導のもと、好捕手が育つ土壌がある。「広陵一」は球界一の捕手を目指すことに他ならない。新人合同自主トレ8日目の18日は、ブルペンで「初めて」座った状態で則本佳樹(24)の投球を受けた。「一番は投手が見やすくて、投げやすいように構えることを意識している」と、新人らしからぬ落ち着いたキャッチングを見せた。

昨年末に、広陵出身のプロが開催する少年野球教室で3人と対面し刺激を受けた。理想の捕手像は「投手から信頼され、野手からも信頼され、チーム全体から信頼される捕手。そして相手チームからも認められるように」と話す。高校、大学で主将を務め、関西6大学リーグでは8季中6度の優勝を果たすなど、捕手で育まれたリーダーシップにも期待がかかる。

もちろん、守備だけで起用される世界でないことは分かっている。「自分が打つことで勝つ確率は上がる。今は日々筋肉痛ですけど、振る力はついてきている」と打撃にも力を入れる。とはいえ高校時代は4番、大学でも4年春には打率5割2分2厘で首位打者に輝いた打力の持ち主だ。「まずは1軍に残らないと始まらない。そこで与えられたチャンスをものにしていくだけです」。今年から捕手登録の岡島豪郎(29)、山下斐紹(26)らが2軍スタートとなった捕手激戦区の楽天にまた1人、つわものが加わった。【野上伸悟】