広島緒方孝市監督が1月31日、先発10人構想をぶち上げた。

キャンプの宮崎・日南に入り、決意表明。通常の6人でなく、10人を準備させシーズンに備える考えを示した。

昨年は先発陣が乱れる場面が目立ち、チーム防御率が一昨年の3・39から4・12に悪化。投手陣の立て直しがテーマの1つになっていた。緒方カープはリーグ4連覇に向け、変化を恐れずチームにメスを入れていく。

キャンプイン前日。日南入りした緒方監督は、戦闘態勢に入っていた。厳しい表情を崩さないまま、市内の宿舎にに到着。チームミーティングの後、あっと驚く投手陣立て直しプランを明かした。

「(先発を)6人だけじゃなく、極端にいえば10人ぐらい、10番目ぐらいまで用意していく。どうしてもイレギュラーなことがあって(先発が)いきなり足りなくなる。そういうことを踏まえて準備する」

先発陣の整備は、今季のテーマの1つだ。17年は3点台前半だったチーム防御率が、昨季はリーグ3位の4・12。先発が崩れ、リリーフ陣にしわ寄せが来る場面が目立った。弱点克服のため、これまでとは違う試みに乗り出す。シーズンで必要な6人を絞り込むだけでは、不測の事態に対応できない。最初から誰かが欠けることを想定し、10人をしっかり準備させる。

そのための手も打っている。佐々岡投手コーチは「2日目、3日目で10人をBP(打撃投手)で投げさせる」と予告した。若手中心の10人を5日からの第2クールでシート打撃に登板させ、9日からの第3クールで紅白戦に投げさせる。早め、早めに仕上げさせ、激しい競争をにさらしながら戦力を整えていく。先発ローテーションが確定しているのは大瀬良とジョンソンの2人だけ。残りの8人を選んでいく過程で、一部をリリーフにまわせばいい。

緒方監督は「初日から競争。そういう意識のもとでグラウンドで練習してもらわないと。どういう体づくりをしてきたか、そういう目線でこちらも見る」と話した。リーグ3連覇は過去のもの。今季の戦いに向け、厳しい姿勢でチームをつくりなおす。【村野森】