中日与田剛監督(53)は「儀式」にこだわった。2月1日、初めて指揮官としてキャンプを迎える。31日は沖縄・恩納村の1軍宿舎で全体ミーティングを行った。

新指揮官は「長くもあり、短くもありというのが実感」と就任が決まって以来の約3カ月半を振り返った。毎日、戦力のシミュレーションを行ってきた。「3月29日のDeNA戦で誰が投げるんだろう。1番は誰、2番は誰…。寝ていて汗をすごくかいたときもあるし、夜中に目覚めて1~2時間起きていることもあった。(想定を)やればやるほど緊張感が出てきた」。2月1日からは頭に描いてきたものを、実際に目で確認し、現実のパズルを組み立てていく。

ホテルの自室での様子も明かした。28日に沖縄入りしてすぐ、ホーム用、ビジター用のユニホームを出して試着した。しかもスライディングパンツ、ソックス、シューズを完全装備。「鏡で背中を見て、サイズを確認して。サイズが合わないと気持ち悪いのでね。メーカーさんがビシッと作ってくれました。野球人として必ずやることですね。小さい頃からやってきたような気がします。僕らにとっては制服。いつでも見られるように飾ってあるんです」。2着の戦闘服をハンガーに掛けて、2月1日を待ってきた。

昨年は5位だったが、大補強はしていない。7年ぶりのAクラスに向けて、全体の底上げが必須だ。2月3、4日には早くも紅白戦を組んだ。「自分の動きを確認してほしい。ライバルが思っている以上に仕上がっていることもある。1日でも早く確認するための実戦です」と説明した。

この日の全体ミーティングで、選手に最も伝えたかったことを聞かれると「どうせやるなら、今できる最高のものをやってもらいたい。体を痛めて、しんどいことをやるんだから、最高のパフォーマンス、行動を、というのは伝えました。いいかげんな気持ちではもったいないので」とはっきり答えた。与田イズムは低迷にあえぐ中日に、どんな変化をもたらすのか。