阪神4番候補のジェフリー・マルテ内野手(27=エンゼルス)が、宜野座キャンプ初日からフリー打撃を披露した。56スイングで4発と大爆発とはいかず、実力はベールの中。バースらを擁した85年の日本一監督、吉田義男氏(85=日刊スポーツ客員評論家)は中距離砲とのイメージを明かし、評価は先送りにした。

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マルテの初打ちをみましたが、まだまだこれからといった印象でした。フリーバッティングをうかがっていても引っ張れていなかったし、調整段階であることを差し引いても、ホームランを量産するタイプには見えなかった。どちらかというと中距離タイプでしょうね。ちょうど1年前、ロサリオが、この沖縄キャンプで鮮烈なデビューをしました。わたしを含めて、だれもが太鼓判を押した。それがいざフタを開ければ、大外れでした。ただロサリオの場合、大砲の片りんは見せていた。ここはマルテとの差ですわ。

最近の例でいうと、10年に来日したマートンのキャンプでの評価は芳しくないものばかりでした。しかし、わたしは、高めの球をうまく打つことから、そこそこ打つだろうと見立てた1人でした。実際、本番に入ったマートンは打ちまくって、シーズン214安打を放つわけです。

阪神監督として数多くの助っ人と出会ってきたが、外国人の評価は難しい。バースのように、日本で花を咲かせる助っ人もいますから。マルテはドミニカ共和国でウインター・リーグに参戦していたようです。日本に来るまでのブランクは感じたが、どこかのタイミングで化けるかもしれないということはいえます。

チームが端境期であることを考えれば、外国人の働きにかかるウエートは非常に大きい。今のところマルテのパフォーマンスは70%ぐらいと見ましたが、ほんとの評価は先送りしときます。きょうのところは「4番」と断言できる内容ではなかったが、ここからどこまで上がってくるかでしょう。