鷹の走塁革命だ! ソフトバンクが2日、スローガン「奪Sh!」を掲げて目指す走塁意識の改革に着手した。昨季限りで現役を引退し、今季から就任した本多雄一内野守備走塁コーチ(34)を中心に、全員の「盗塁フォーム」を映像収録中。通算342盗塁で、盗塁王2度の本多コーチが現役時代に取り組んでいた技を浸透させ、昨季リーグ5位だったチーム盗塁数のアップを図る。

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「奪Sh!」を体現する練習が、最後のメニューに組み込まれていた。全体練習、特守を終えた松田宣らが一塁ベースの周りに集まった。その前には2台のビデオカメラ。一塁から盗塁の動作を繰り返す選手のフォーム撮影が続いた。意図を、本多コーチは「盗塁は試合の中で経験できない選手もいる。自分で見ないといいのか悪いのかが分からない。自分の姿を見て勉強することが大事。映像で見て、細かい気づきを選手自身がしてくれることが向上につながる」と説明した。

前日1日のキャンプ初日には川瀬と育成周東、この日は松田宣、西田、牧原、福田、釜元、真砂が撮影された。練習の終盤には、本多コーチと同じく盗塁王経験のある村松外野守備走塁コーチも加わり、豪華な「盗塁王タッグ」による指導が行われた。

本多コーチは現役時代、自身の「盗塁フォーム」を映像でよく確認し、「盗塁王を取ったときは、自分で見つけましたよ」と理想の形を見いだしたという。通算342個の盗塁を積み上げる礎となった「技」だ。昨季3盗塁だった松田宣も「初めてですね。盗塁を20、30個やるのは難しいが、打球判断も走塁。1つでも先の塁に。いい感じで走塁にも意欲が出て、いいと思う」と盗塁だけでなく、走力アップへの効果を感じている。

昨季リーグ5位だった80盗塁からの向上を目指し、全選手の盗塁フォームを撮影する予定。主力だろうが関係ない。本多コーチは「内川さんにもやってもらいます」。工藤監督は「いい案だな、と思う。スタートしている姿を見て、何がベストか考えてもらう。おのおのが工夫をして、いいスタートを切れるように。誰彼関係なく全員に撮ってもらう」と話し、新任コーチの改革案を歓迎した。猛練習で走り込んだ初日に続き、異なる「ダッシュ」で「奪Sh!」を目指す。【山本大地】