見た目が鬼でも勤勉だ。ロッテの新外国人、ケニス・バルガス内野手(28=ツインズ3A)が3日、キャンプ地の石垣島で「節分」の豆まきを初体験した。鬼に向かって豆を投げ付けた後、自らお面と金棒を手にノリノリで赤鬼を実演。日本文化に親しんだ。本業でも連日の居残り特打にいそしんで、アーチ量産に死角なし!

 

入団会見でゴリラになりきったバルガスが、赤鬼になった。来日して初めての節分。レアードに「オニハソト! フクハウチ」と教えられながら報道陣に豆を投げ付けた後、ノリノリで赤いお面に手を伸ばした。金髪に面をかぶり、ビニール製の金棒を振りかぶると「ウオオオオオオオ」と絶叫。鬼役に徹し、テレビカメラの前に迫り来る大サービスで盛り上げた。

「もう1回やりたいくらい楽しかった」と未知の行事に即対応。「スシも食べたよ。マグロが好き」と日本文化に歩み寄っている。ハイテンションで陽気なキャラが際立つが、適応しようと努力する姿勢は野球も一緒。この日は半休で個別練習の時間が設けられていなかったが、連日の居残り特打で約40分間、打撃マシンと向かい合った。

助言が耳に残る。昨季のセ・リーグ本塁打王、DeNAソトは同郷プエルトリコの友人。「昨日、電話したんだ。去年のキャンプでしっかりトレーニングしたから活躍できたと言ってた。今のうちから練習しろよって」。メジャー通算35発の実績にあぐらをかかず、飛球を上げ続けた。これは米国時代のコーチの教え。パワーヒッターは打ち上げれば本塁打になる。「ファンもゴロよりフライの方が喜んでくれるだろ?」。

午前中のフリー打撃では、ZOZOマリンばりの秒速7~8メートルはあろう逆風にも負けず左打席で4本、右打席で1本の柵越えを放った。今季、本拠地は「ホームランラグーン」新設で外野が狭くなる。ほぼ同じ広さの球場で6本のフェンス直撃打が出た。つまり「仮想マリン」で実質11本塁打。井口監督は「全力で振れている」と評し、12日以降の那覇遠征で積極的に日本投手と対戦させる方針だ。

明るさと実直さを併せ持つ新助っ人は、意気込みを求められると「ガンバルガス!」。ダジャレにも、適応済みだ。【鎌田良美】