かかってこい、ルーキー! ソフトバンク松田宣浩内野手(35)が6日、ドラフト1位甲斐野央投手(22=東洋大)との“対戦”を希望した。最速159キロ右腕が7日のフリー打撃に打撃投手として初登板する予定と知り、立花打撃コーチに「甲斐野を打ちたい」と直訴。宮崎キャンプ序盤にしてスラッガーとしての闘争本能に火が付いた。

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14年目のベテラン松田宣が意欲的だ。最速159キロの右腕が7日のフリー打撃に打撃投手として初登板する予定と知り、この日になって立花打撃コーチに「甲斐野を打ちたい」と直訴した。打撃練習はローテーション制のため直接対決は流動的ながら、「抑えてみろよ、と。勝負ですからね」とメラメラ。2月でも「勝負」というプロの流儀を打席から醸し出すつもりだ。

打撃3部門全てでキャリアハイを目標に掲げる35歳。この日は全体練習後、室内練習場にこもり黙々とマシンを打った。右方向への打球を意識し、スローボールや変化球も右に運んだ。現役時代は流し打ちの名手として知られた大道2軍打撃コーチにも助言を求め、バットを振った。松田宣は「引っ張ることはいつでもできる。右に打つことでヒット数を増やしたい」と力を込める。

若手や主力が悲鳴を上げるランニングメニューでも涼しい顔だ。「自主トレでそれだけ走ってきているんでね。きついのはきついけど、大丈夫ですよ」。1月のグアム自主トレに同行した2年目の吉住も「松田さんはめちゃくちゃ走れる。自分が35歳になったときに、あれができるとは思えない」と目を丸くする驚異の肉体をキープしている。

「技」「体」は充実。打撃投手を相手にしたフリー打撃が自軍の投手陣になることで、打者の調整は1段階上がる。その中で松田宣がドラ1の直球を体感したいと訴えるのは「心」の充実もうかがわせる。「挑戦状」を受けた甲斐野は「すごいバッター。4億円も稼いでいますからね。対戦したいし勉強したい」と目を輝かせた。さらに「直球だけだと物足りない」とシート打撃や紅白戦での対戦にも思いをはせた。

今回チャンスを逃しても、キャンプ中の対戦機会はありそう。今季から背番号を3から5に戻したホットマンがルーキー打ちで勢いに乗る。【山本大地】