ヤクルト渡辺大樹外野手(21)が「29人目の男」を狙う。11日、ANA BALLPARK浦添で行われた練習試合の韓国・KIA戦で、逆転満塁弾を決めた。

3点を追う8回2死満塁、カウント1-1から140キロ高め直球をとらえた。打球は左中間席に弾んだが「入ると思わなくて、全力で走った。満塁ホームランは、人生初かもしれないです」。自身も予想外の1発で、チームの今季初の対外試合を勝利に導いた。

内野手一筋でプロ入りも、出場機会増を目指し、昨秋キャンプから外野手に転向。特守や、スライディング練習に必死に臨む「なんとかしよう」という姿勢が首脳陣の目に留まり、初のキャンプ1軍スタートをつかんだ。今年は出場選手登録が1人増の29に拡大することもあり、小川監督は「1枠増えて、代走(を入れるの)も1つの形。足の速い彼の可能性が高いから、メンバーに入れた」と明かした。

今オフは、投手から外野手に転向した雄平に弟子入り。13歳年上の先輩を質問攻めにし、技術を吸収した向上心の塊。「今日は打てたけど、まずは守備、走塁を頑張らないといけない」と浮つくことなく、足元をしっかりと見つめた。【保坂恭子】

 

◆渡辺大樹(わたなべ・だいき)1997年(平9)6月7日、千葉県生まれ。専大松戸では3年夏に甲子園に出場し、15年ドラフト6位でヤクルト入団。17年は1軍で2打数無安打。昨季の1軍出場はなし。182センチ、87キロ。右投げ右打ち