読者のみなさま、初めまして。日刊スポーツ新聞社の湯本勝大(ゆもと・かつはる、25)と申します。普段は整理部で見出しを考えたり、紙面のレイアウトをしていますが、このたび、楽天の沖縄・金武町キャンプを訪問。記者がどうやって原稿を作るのか、実況していきます。どうぞ、お付き合いください!

【午前9時 金武町到着】

球場に到着。楽天担当の先輩記者に電話し、メディア受付を済ませる。この日の練習メニューをもらい、内容をチェック。先輩からの指令は「お題に答えて」と「最低1本の原稿を出す」。お客さま気分だったのに、軽いパニック。

【午前9時15分 自己紹介】

仙台出身で、実は楽天は詳しい。個人的な興味があるのはご当地選手の由規。でも、2軍で久米島にいる。ちなみに、僕のプロフィルは古川学園から明大。入社3年目。趣味はサイクリング。特技はおいしくビールを注ぐことです。

【午前9時半 練習開始】

ウオーミングアップ開始。他社の記者、テレビの記者の人数って結構いる。選手もいて、びびる。先輩から「全員いるかチェックしてねー」と言われる。インフルエンザとか発熱とかで欠席、不調で別メニュー調整だと、全体練習にいないらしい。1人1人確認して、チェックする。

【午前9時45分 指令を確認】

「お題に答えて」とは、日刊スポーツの紙面で展開の軟らかコーナー。選手の内面を探る質問をする。今日のお題は「外国人選手に聞いた。ここが変だよ、日本のキャンプ」。外国人選手はウィーラー、ブラッシュ、ハーマン、ブセニッツ。どれかにロックオンしたい。

【午前10時 キャッチボール開始】

目の前に楽天の選手たち。率直にうれしい。仙台市生まれ。10歳の時に球団が出来た。ユニホームを着て、球場によく行った。震災の時は高校3年生になる直前。大変だった。13年、日本一の瞬間はライトスタンドで見つめていた。いろいろと思い出す。

【午前10時半 ブルペンにくぎ付け】

岸、松井、高梨の3人が並んでブルペン入り。みんな侍。思えば、自分が小学5年生だったときに楽天が創設。あの頃は有名な選手といえば岩隈、礒部くらいしかいなかった気がする。15年目の楽天。すごくなったなぁと感じる。岸は101球も投げ込んだ。

【午後11時 則本ブルペン入り】

大好きだったマー君の次のエースは迫力満点。約1時間の熱投で、球数150球。ノートに「正」の字を書いて、数えた。見る方も集中力が必要だった。

【午後1時 渡辺佑樹投手へ突撃】

ブルペンで則本投手の隣で投げ込んでいた渡辺佑投手を直撃。見ていて、ビビッと来た。学生時代は捕手の経験もあり、すごい球を投げると思った左腕。大卒2年目で年齢も近い。たどたどしい質問にも気さくに答えてもらったが、「今日のブルペンはあまり良くなかったです」とバッサリ。自分の眼力の無さを痛感。

【午後1時半 まさかの自由行動】

取材内容を先輩に報告すると「あとは自由」のお達し。とりあえずグラウンドをウロウロ。

【午後1時50分 平石監督に再会】

小6の時、宮城・利府町内で開催された野球教室で選手時代の平石監督に指導してもらった経験がある。13年ぶりに再会に際し、過去に指導を受けたことを伝えると「マジか!」。平石監督の指導を受けた記者1号との言葉には「なんでやねん! がんばってな」と激励を受けた。

【午後2時10分 打撃練習】

フリー打撃をチェックしにメインスタジアムへ。オコエのバックスクリーン直撃弾や、新外国人ブラッシュの打球の鋭さにとても驚かされた。元野球少年として、1度はあんな打球を放ってみたかった。

【午後3時20分 平石監督囲み取材】

全体練習が終わると平石監督が1日の総括をした。多くの報道陣が取り囲む中、しっかり声が聞けるよう、ポジション争い。話を聞けて満足していたが、気付いた時には外国人選手はすでに帰った後。あれ…、指令があった気が…

【午後4時30分 原稿執筆】

銀次、太田、村林の特打をチェックした後、いよいよ原稿執筆。書いて、先輩に添削してもらって、書き直しての繰り返し。

【午後7時半 出稿】

やっと原稿ができたときには、外は真っ暗。締め切り時間ギリギリかも…。整理部の諸先輩方、すみません…。これでこの日のキャンプ取材は終了。長かったけど、濃い1日でした!