聖地初安打! 打ってもらわなコマルッテ? 阪神の新助っ人ジェフリー・マルテ内野手(27=エンゼルス)が、本拠地&オープン戦初安打だ。

阪神にとって19年初の甲子園開催ゲーム。7回に左翼線二塁打を放った。走塁で果敢に本塁を狙う姿勢を見せれば、守備では実戦で初めて三塁に就き、指揮官も太鼓判。新助っ人がベールを脱ぎ始めた。

ぴゅうと浮かんだ黄色風船が「マルテ劇場」の前兆だった。7回の打席に入る直前、マルテは右翼席をチラリ。初めて見たジェット風船にも奮起し? 快音を響かせた。先頭打者として打席に入り、2球目だった、真ん中に入ってきた129キロのフォークを強振。左翼線へライナー性の打球を飛ばした。2月11日の紅白戦で本塁打と中安を放って以来、実戦11打席ぶりのヒットに笑みがこぼれた。

「いい感じでコンタクトできた。全力で取り組むことで結果もついてくる。勝つ喜びを分かち合いたい」

勢いは走塁面にも表れた。1死二塁からの鳥谷の中前打で、勢いよく三塁を回った。藤本内野守備走塁コーチが「ストップ」を指示していたが「自分のタイミングで行きました」と猛烈走塁。本塁生還で一時は勝ち越しに成功した。これには藤本コーチも「オレに走力を見極める力がなかった。次(打者)が木浪というのもあったけどね。判断良く足も動いていて、予想外の速さだった」と驚きを隠せなかった。

だが、本人は試合後に猛省。黒土にまみれたユニホームで「コーチはリスペクトするべき人。あの場面はセーフにはなりましたけど、自分も直していかないといけない」と頭をかいた。矢野監督は「藤本が止めてたのに(笑い)。意外に走ったら走れるかもしれん。試合になったら面白いというか違う部分も見えてくる」と新たな発見を喜んだ。

さらに守備では実戦で初めて三塁を守り、好捕連発。地肩のよさも見せ「三塁が1番目のポジション。2番目が一塁。(三塁は)自分としてはやりやすいポジション。言われたところで準備していきたい」とスタンバイOKの姿勢だ。指揮官も「守備がすごいじゃん。(三塁を)できることが分かるだけで。甲子園で守ってみるのも、オプションとして考えるなかで、今日はそういう部分をよく見られた」と納得の表情。大山、木浪らライバルの多い三塁。マルテの出現で、ホットコーナー争いも熱くなってきた。【真柴健】