ソフトバンクのドラフト1位、甲斐野央投手(22=東洋大)の開幕メンバー入りが決定した。DeNA戦(横浜)で3点リードの9回に登板。最速157キロの直球を中心に、すべて内野ゴロによる3人斬りで「初セーブ」を挙げた。投じた直球の球速はすべて155キロオーバー。「(セーブは)まだオープン戦なので。でも、いい経験をさせてもらえました」。オープン戦5試合目で初めてセーブがつく機会に登板。それでも圧倒的は投球は変わらず、ルーキー右腕は落ち着いた表情で振り返った。

試合後には工藤監督も、甲斐野の開幕1軍にGOサインを出した。「彼にしては『残れるか残れないか』というところだと思うが、今まで投げてきたボール、残した成績。(捉えられて)打たれたのも(本塁打の)1本だけ。自信を持って投げてくれたら。(開幕1軍)と、思っています。ぼくは」。オープン戦5試合中4試合で無失点。勝ちパターンの継投メンバーに入る可能性も高まっている。

この日は東洋大の同僚、DeNAドラフト1位上茶谷が相手先発だった。ブルペンで準備しながら、その投球を見つめた。「投げているのを見て刺激を受けましたし、あとで連絡を取りたいですね」。直接言葉を交わすことはできなかったが、戦友との再会にも気持ちが高ぶった。開幕というスタートラインに立つ権利をつかみ、いよいよ甲斐野のプロでの物語が始まる。【山本大地】