上位打線は超積極的や! 阪神糸井嘉男外野手(37)が16日、西武とのオープン戦(甲子園)に「3番右翼」で今季の実戦初出場した。

3回に中前に初安打を放ち、売り出し中の1番木浪&2番近本と連動。4連打の最後を締めた。右膝炎症の不安も解消。新人コンビとの新たなハーモニーで魅力的な上位打線誕生の予感だ。

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大トリ登場の糸井が試行錯誤の続く打線に活力を与えた。甲子園で今季初実戦を迎えた。2打席目の3回1死一、二塁。低めのスライダーをとらえ、中前にはじき返した。「高ぶるものがありました。試合勘を調整していきたい。今日は生きたボールが見られたので、よかったです。まだ開幕まで時間があるので、しっかり調整して調子を(開幕に)もっていきたい」。さすがのベテランも初実戦への思いは格別。力強いスイングにスタンドは沸いた。

打線に躍動感が出てきた。3回の集中打は北條の左前打に、1番木浪&2番近本がヒットで続いた。好調をキープし、新人コンビによる開幕1、2番起用の可能性は高まっている。その流れに、糸井がさっそくフィットした。「初めて生で見ましたけど、いいスイングをしている。対応もすごい」と売り出し中の2人を絶賛した。

糸井は右膝の炎症で今季初実戦をズレ込んだ。調整遅れが不安視されていたが、心配は無用だ。この日は予定通り、2打席で交代。「まだスタートじゃないので。スタートは開幕。体の面も含めて、まず今日は守れた。足の状態も確認できた。走塁も100%。体の面はケガなく100%でいけるようにしたい」と慎重に状態をチェックしながら、調整のギアを上げていく。主軸の打席に、矢野監督は「しっかり振っている。さすがというか。2打席目もヒットを打って。球も結構、見られた。ファウルで粘るというのもあったし、いいんじゃない」と目を細めた。

指揮官は今季の構想として「3番糸井プラン」を明かしている。糸井は3番の打順について「これまでも数多く立ってきた打順なので。そこは、そう言っていただいてありがたいんですけど…」。そう言った直後に「僕は2番が良いです!」と突然、アピール(?)した。3・29の開幕戦まで残すは7試合。「自分の形で振れるように。それだけを目指してやっている」。超人が19年シーズンに向け、心と体を燃やしていく。【真柴健】

<糸井阪神移籍後の初実戦>

◆17年3月15日オリックス戦(京セラドーム大阪) 右膝関節炎からの再起を期して3番DHで先発し、移籍後初出場。第1打席で中前打を決めた。阪神へのFA移籍選手の初打席初安打は金本や片岡、新井らも打てなかったあいさつ代わりの一打。「変化球を拾えたのは良かった」と喜んだ。

◆18年3月13日ヤクルト戦(甲子園) 5番指名打者でスタメン出場。2回に先頭で迎えた初打席は一塁ゴロ、4回2死無走者の第2打席は二塁ゴロでベンチに下がった。「感覚はめっちゃいい!」と言い残し、室内練習場へ消えた。