デスパも松田も走る! ソフトバンクがチームスローガン「奪Sh!」のもとに掲げる「走塁改革」を体現した。

4回1死一塁で、デスパイネ外野手が昨季は1度も企画すらしていなかった、盗塁のスタートを切った。巨体を揺らしながら二塁に豪快に滑り込み、タッチアウトにはなった。だが「サインでした。今年はチームも走るという方針ですからね」と涼しい顔だ。NPB通算3盗塁の大砲がベンチのサインにちゅうちょなく応え、チームの走塁意識改革の旗頭となった。

本多内野守備走塁コーチは狙いをこう明かす。「(デスパイネは)クイックがゆっくりだったので行かせました。スタートを切ることができて、すごく良かった。ワンバンで次の塁に進むのもそうだし、シーズン中でもできるようになればと思ってやった。継続していくしかない」。このオープン戦では失敗しても果敢にトライを続けていた。この日の2盗塁を加えて成功は6回だけだが、10試合で18度の企画をしている。盗塁だけではない。例えばベテラン内川は塁に出れば、1球ごとにスタートを切る。少しでも捕手が弾けば前に進もうと、先頭に立ち意欲を示している。

この日は4回に代走塚田が二盗。昨季3盗塁の松田宣も盗塁を決めた。村松外野守備走塁コーチは「どこからでも、隙があればと思っている。シーズンでもどんどん行ってもらう」とニヤリと笑った。19年の鷹はベテランも助っ人も関係なし。全員が前の塁を狙って走る。【山本大地】