中日大野雄大投手(30)が復活星を挙げた。今季3度目の先発で7回途中まで1失点。17年9月20日のヤクルト戦以来、573日ぶりの白星は通算50勝目の節目でもあった。「うれしい。昨年は働けなかったので、今年はめちゃくちゃ働く気でいます」。久しぶりのお立ち台で満開の笑顔を見せた。

フォームのバランスが悪かったが、球威で勝負できた。2回1死一、二塁では伊藤光と大和を直球で空振り三振。6回のピンチも最後は中井の膝元に145キロを食い込ませて見逃し三振。「プロ入り後、一番いいかも」と復活のバロメーターになった直球が生きた。

0勝に終わった昨年は荒れた時期もあった。「まともな状態でマウンドに上がっていなかった。投球以外のことを考えていた。いいパフォーマンスができるわけがない」と振り返る。好きな酒を断ち、今年はラーメン店に行くことすら控えている。昨秋の与田監督就任以来、対話を重ね「1年間ローテで勝ってくれ」とエース格の期待を受けた。「監督にそう明確に言ってもらい、応えたい気持ちが投球につながっている」と意気に感じた。

毎年、1勝目のウイニングボールは夫人に渡している。「去年はあげられなかった。家族の支えがあったからこそです」と白球を握り締めた。再び貯金1。与田監督は大野雄の投球を称賛したあと、ニヤリと「運がよかったんでしょう」と厳しく締めた。監督との約束通りにフル回転すれば、まだまだ貯金は増えていく。【柏原誠】