阪神が2試合連続完封負けを喫し、単独最下位に転落した。平成最後の「伝統の一戦」となった巨人6回戦(甲子園)は、好機をつかみながらあと1本が出ず0行進。西勇輝投手(28)の力投に応えられず、今季2度目の3連戦3連敗を食らった。同一カード3連敗はともに巨人戦で、巨人には昨年から1分けを挟んで9連敗。宿敵の奪首に一役買う形となってしまった。

  ◇    ◇    ◇

平成の「伝統の一戦」は阪神にとって悲しすぎるフィナーレを迎えた。巨人メルセデスと今年2度目の対決。6回まで毎回走者を出したが本塁は遠い。甲子園は無力感に包まれ、2日連続完封負け。開幕から巨人に勝てず、6戦全敗の惨状だ。今季初の単独最下位に転落。苦悩の表情で引き揚げてきた矢野監督は言う。

「(打倒巨人の思いを)強く持って戦ってはいる。そのなかで結果が出ないのは、監督としての俺の責任は大きい。それをしっかり受け止めるしかできない」

指揮官発案のメルセデス対策オーダーは不発に終わってしまった。この日は、試合前時点で打率3割8分1厘の首位打者・梅野を5番に抜てきした。昨年10月に2度、経験した打順だが、シーズンまっただ中の5番起用は実質的にプロ入り初めて。だが、気合は空回りしてしまった。1点を追う4回1死一、二塁の同点機で打席が巡ったが外角球に力負けし、投ゴロ併殺。6回も2死一、二塁で二ゴロに倒れるなど、4打数無安打に終わった。

前日20日はヤングマンにひねられていた。矢野監督は試合後に「しっかり点を取らないと勝てない」と危機感を募らせていたが、この日もまるで同じ光景。5番梅野の用兵もハマらず好投する先発西を援護できず。指揮官は思案顔で言う。

「それはもう、俺の責任だよ。打順も俺が決めているんだから。打ちに行く気持ちを持って、リュウ自身も行ったと思う。まだ先は長いんでね。いろんなことを、最善策を考えながらのこと。それは仕方がない」

昨季、4戦で白星なしの2勝を献上して防御率0・61と抑えられた天敵メルセデスに今季も2戦2敗。今年は左腕先発に7戦で6連敗とアレルギーは深刻だ。

平成最後の巨人3連戦を3連敗。平成時代は770度対戦で、318勝435敗17分けと大きく負け越した。チーム再建の道は険しいが矢野監督は自らに言い聞かせるように言う。「戦う気持ちが一番大事。それをしっかり持って、まだ残りあるので、リベンジできる形をどんどん作っていけるようにしていくだけです」。借金は今季最多の6に増えた。投打ともに不安定な阪神が今年も試練にさらされている。【酒井俊作】

▽阪神清水ヘッドコーチ(巨人に開幕6連敗)「悔しいです。次に当たったときに何とかします。苦手を作ってはいけない」

▼阪神が巨人戦に敗れ、シーズン初戦からの平成ワースト記録を6に伸ばした。41年6連敗、67年7連敗、87年7連敗に続き、球団4度目。これで最長記録の7連敗にあと1となった。