ソフトバンク千賀滉大投手(26)が7回1失点の好投で2勝目を挙げ、チームを16日以来11日ぶりの首位に浮上させた。日本ハム打線から11三振を奪い、球団では09年杉内俊哉(5試合連続)以来、10年ぶりの4試合連続2桁奪三振を記録した。

この日最速158キロの直球を変化球が引き立てた。序盤はスライダーを、3回以降は開幕から苦しんできたフォークを決め球に、三振の山を築いた。「しっかりフォークが使えた。まだ自分の中でフィットできていないが、今日のところは」と手応え十分だった。

受けた甲斐が「今日はフォークの落ちもよくて、腕が振れていた」と振り返れば、工藤監督も「今日は久しぶりにお化けフォークだとみんなで話をしていた」と、代名詞復活を喜んだ。

7回、先頭の中田に1発を浴び、さらに2死二、三塁のピンチでは代打田中賢をフォークで二直に仕留め、最少失点で踏ん張った。工藤監督は「最後の踏ん張りも今までなかったとは言わないが、自分を奮い立たせて辛抱して投げた」と、スタミナ面でも精神面でも成長している姿を喜んだ。

体を強くするために筋力トレーニングで追い込んできた。1月の自主トレでは、福岡・筑後市のファーム施設を往復する車の運転を知人に頼んだ。「ヘトヘトになるまで練習できるから」。高速道路で1時間以上かかる運転には集中力も必要。少しでも練習をセーブしたくなかった。

札幌ドームはこれで7試合6先発で5勝0敗と不敗神話を伸ばした。「あと4つ頑張ります。冗談ですけど」。侍ジャパンで一緒に戦い、仲の良い楽天則本昂が17年に記録した8試合連続2桁奪三振の日本記録を目標とした。ここまで54奪三振は両リーグトップ。奪三振率13・14は驚異だ。投げるたびにたくましさを増している。【石橋隆雄】