ソフトバンク千賀滉大投手(26)が、本調子ではない中、7回を無失点に抑え今季3勝目を挙げた。奪三振は9で、連続2桁奪三振は4試合でストップ。09年に杉内俊哉が作った球団記録の5試合に並ぶことはできなかったが、チームを3連勝に導き、エースの責任を果たした。ソフトバンクは貯金を今季最多の7とし、パの貯金を独占した。

お化けフォークで山足からこの日9個目の三振を奪い、千賀はベンチへ戻った。「もう1個、もう1イニング行きたかったが、球数もいっていたし」と、続投へ意欲を見せたが、7回で117球投げていたため、8回からリリーフを仰いだ。

あと1つ三振を奪えば、09年杉内に並ぶ球団記録の5試合連続2桁奪三振だった。「意識はあったが、なかなか追い込んでから(三振を)取れなかった」。最速160キロと直球は走っていたが、制球に苦しんだ。5回の西浦には9球目を左飛、6回はメネセスに11球目を二ゴロと、いずれも追い込みながら三振を奪えなかった。それでも1回2死二塁ではメネセスを、2回2死一、二塁では西浦をフォークで空振り三振。「ピンチの時は基本的に狙っているので取れてよかった」と、ピンチではギアを上げた。この日の三振は9個すべてフォークだった。

両リーグトップの奪三振数63が目立つが、今季は6試合で44イニングと1試合平均7回を越え、防御率1・23とエースの安定感を発揮している。工藤監督も「要所で抑えてすごく成長している。悪い時も集中力を切らさず抑えてくれた」とほめた。球数が多かったため8回は続投させなかったが、倉野投手コーチは「球数、イニングと投げるスタミナが進歩している。もう少し球数が減れば」と評価した。

千賀は2桁奪三振記録について「またしっかり、また始められるように。またモチベーションにもなる。(楽天)則本さんが笑っとるわ」と、8試合連続の日本記録を持つ仲の良い先輩右腕の名前を出し、再挑戦を誓った。昨年までと違い、試合中も崩れず、故障で戦列を離れることもない。自身3連勝でチームも3連勝に導いた。【石橋隆雄】