大ブレーク中のソフトバンク若手2人に本紙評論家の浜名千広氏(49)がアドバイス! 打撃武器の三森大貴内野手(20)には守備向上、俊足が武器の周東佑京外野手(23)には打撃向上の必要性を説いた。

2人の台頭でチーム内の競争力も一段とアップ。故障者続出のなか、首位を走るチームの原動力となっている。今後も活躍し続けるためにも、さらなるレベルアップを求めた。【取材・構成=浦田由紀夫】

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首位独走の気配すら感じるソフトバンクを引っ張る役目を果たしている三森、周東をファーム時代から注目していた浜名氏は、今や重要な戦力になっているとみている。

浜名氏 三森は内野手にしては身長も高く大型内野手としてスケールの大きさを感じる。周東は俊足が武器である自分の利点をしっかりアピールできる素質を持っている。

2人にはそれぞれ武器がある。三森は特に打撃が向上していた。

浜名氏 1軍に上がってからのスイングスピードが格段に速くなっていた。打撃については、ちょっと左手でかぶせ気味になるのは気になるが、ほとんど言うことがない。

周東については「盗塁のセンス」に脱帽している。

浜名氏 足が速いのはもちろんだが、盗塁に必要なスタート、スライディング、左右投手に合わせたリードなどいい素質を持っている。さらに行くか行かないかの状況判断も優れている。走塁では状況によって行く勇気、行かない勇気がいる。三盗など思い切った走塁もその「センス」から来ていると思う。

主力選手が復帰してきても1軍に残るためには何が必要となるのか。浜名氏はそれぞれ、こうアドバイスする。

浜名氏 三森は徹底的に守備を鍛えてほしい。1軍では守れないと使ってもらえない。周東は足を生かすための出塁に欠かせない「粘り」を身につけてほしい。四球を選ぶことにもつながり今よりもっと走る機会が増える。

さらに2人が出てきたことで相乗効果もあると指摘する。

浜名氏 本当にレギュラー陣を脅かす若手が出てきた。現レギュラーにも本当の危機感が生まれ、競争原理が働いてチーム力もアップした。柳田ら故障者が戻ってきたときの戦力を考えると恐ろしい。