ファーム調整中の巨人スコット・マシソン投手(35)が今季初の実戦登板を果たした。昨年7月26日ヤクルト戦以来293日ぶりのマウンドは1回4安打3失点。

最速は151キロを計測した。

3点リードの8回から登板。ブルペンからマウンドへ向かう際にはスタンドから「マシソンおかえり!」と声援がとんだ。

DeNA先頭の関根は見逃し三振。だが山下、梶谷に連打を浴び、1死一、二塁。4番楠本にカウント1-1から真ん中高めの145キロ直球を捉えられ、右翼越えの同点3ランとされた。スライダー、フォーク、ツーシームと変化球も投げ込み、2奪三振。汗をしたたらせながら29球を投げ終え「投げられることができてとてもよかった。調子も良かったと思うが、打たれてしまった。状態はいいので、これからもっともっと上げていかないといけない」と振り返った。

昨年8月に米国で左膝を手術。リハビリ中の同年12月には「エーリキア症」という感染症にかかり、入退院を繰り返す中で約11キロ体重を落とした。トレーニングが行えず、今年2月の春季キャンプは不参加。3月1日に来日し、地道なトレーニングを重ねてマウンドへ帰ってきた。

「一時期は復帰できないんじゃないかと思ったが、ここまで来られてよかった。昨年膝を痛めた時に何人かのドクターに『復帰するのは難しいんじゃないか』と言われた。そういうものを力にして復帰してみせようと思った」と不屈の魂ではい上がってきた。ここまで支えてくれたファンへも「自分のジャージーをわざわざ持って来てくれた方もいた。自分にとってはとても大きなものでした」と感謝の思いを述べた。

今後の登板は状態を見ながら模索していく。「チームに貢献できないとここにいる意味がない。体調的には明日行けと言われれば行けるくらいの状態ではある。ファンの方のためにも次はしっかりとした投球をしたい」。来日8年目の頼れる助っ人右腕が、待ちわびた日を笑顔で締めた。