日本ハムが大逆転負けを喫した。楽天8回戦(楽天生命パーク)は4回表までに8点リードを奪いながら逃げ切ることができず、延長11回の末、今季初のサヨナラ負け。投手陣は楽天打線の一発攻勢に屈し、打線も5回以降は追加点を奪えなかった。勝てば今季初の貯金3だったが、チャンスを逸して連勝もならず。重い黒星となった。

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いちるの望みをかけた、栗山監督のリクエストも失敗に終わった。延長11回、楽天の1死一、三塁。ウィーラーの右飛でタッチアップした三塁走者・藤田と、右翼大田から好返球を受けた捕手清水のクロスプレー。約2分間のリプレー検証もセーフの結果は変わらなかった。「すいません。きちんとできなかったのは、こっちの責任」。ショッキングな大逆転を食らって、今季初のサヨナラ負けとなった。

4回表までに大田の2本塁打などで8点を奪った。2戦連続の大勝ムードも、一変したのは4回裏。先発金子が2死満塁の場面でブラッシュに11号満塁本塁打を浴びた。金子は「ホームランはダメな場面だった。投げ損じです。(相手が)勢いづくには十分すぎることをしてしまった」と失投を振り返った。この回は中田の失策も失点に直結。ミスが重なり、試合の流れが、逆流を始めた。

打線は中盤以降、追加点を奪えず、序盤とは一転、防戦一方の試合展開に変わった。リリーフ陣の苦投が、状況を物語っていた。1人の走者も許さなかったのは5番手の宮西だけ。8回は石川直が2被弾で3失点と崩れ、9回は回またぎとなった秋吉も浅村に同点ソロを献上。最後は、2イニング目となった延長11回に玉井が力尽き、結果的に8投手をつぎ込む総力戦を落とした。

金子は12日西武戦で中継ぎとして1イニング、21球を投げていた。この日は58球で降板したように、多くの球数は求められなかった。最初から、リリーフ陣をどんどん投入するのは想定内だったはず。終わってみればチーム全体が、想定外の大きな負の流れにのみ込まれた。栗山監督は「大事な試合は続くので、しっかり勝ちきるようにするだけ」と締めた。屈辱は、勝ってぬぐい去るしかない。【木下大輔】