巨人の“ゲレーロ先生”が、昇格2戦目に1軍で結果を示した。2回無死二塁、1ボールからの内角直球に対し、ポイントを前に置き、コンパクトにスイング。

左翼席に先制の5号2ランを運んだ。「うまく腕をたたんで、いいスイングができたよ」。2日の中日戦以来の1発で中日戦の勝ち越しに導いた。

不振で降格した2軍では、村田ファーム打撃兼内野守備コーチから先生役を任された。「若い選手に(ポイントを)前で打つ指導をしてるから(元)メジャーリーガーが見本を見せてくれないか。そうすれば、若い子が手本にする」。村田コーチの言葉に応えるように、2軍で3試合連続アーチを放ち、17日の中日戦での1軍昇格を決めた。

同じ右の大砲で、本塁打王2度の村田コーチの言葉で本来の打撃を取り戻した。同コーチは「少しボールにさされているように感じた」と分析したが、本塁打王の実績、プライドも踏まえ「『前で打て』とか、直接的なアドバイスは送ってません。実績のある選手なので、自分で感じられる」と説明。“先生役”任命の裏に隠された小粋なメッセージを自ら感じ取った。

原監督から、降格時に与えられた課題もクリアした。「ポイントゲッターという中で、2割8分ぐらいはほしい」と指摘された得点圏打率は、試合前の時点で1割9分2厘。得点圏では4月16日の広島戦を最後に13打席連続無安打だったが、結果を残した。原監督は「練習から非常にいいです」と評価。“ゲレーロ先生”が、教壇ならぬ打席でお手本を示した。【久保賢吾】