ソフトバンクが異例の新外国人補強を進めていることが21日、明らかになった。昨年のMLBドラフトで1巡目(全体8位)指名を受けた大物有望株カーター・スチュワート投手(19=東フロリダ州立短大)と契約交渉を行っていることが判明。今年6月のMLBドラフトでも上位指名が確実視される右腕で、日本球界入りが実現すれば“直メジャー”とは反対の“直日本”の珍しい事例となる。

ソフトバンクが米国のドラフト候補の獲得に乗り出す前代未聞の補強を行う。昨年のMLBドラフトで1巡目(全体8位)指名を受けたカーター・スチュワート投手と契約合意したと、米敏腕記者ローゼンタール氏が21日、情報筋の話として自身のツイッターで伝えた。

スチュワートは最速98マイル(約158キロ)の速球と137キロ前後の縦割れカーブを持ち、昨年ドラフトで大注目を集めた投手の1人。ベースボール・アメリカのドラフト候補ランキングでは38位で、今年6月3日からのドラフトでも1~2巡目で再び指名を受けることが確実視されていた。

昨年指名を受けたブレーブスとは契約交渉を行ったが、450万ドル(約4億9500万円)前後と予想されていた契約金を、身体検査で手首に懸念が判明したという理由で提示額は200万ドル(約2億2000万円)程度に抑えられ、7月上旬の期限までに合意に至らなかった。

ドラフト後には大物代理人スコット・ボラス氏と契約し、ドラフト入団ではなく即FAとなる道を模索したとも伝えられていた。ボラス氏は過去に、契約交渉のカードとして日本球界入りをほのめかすことがあったが、実際に日本球界入りを決めたとすれば、日米球界に波紋を広げる可能性もありそうだ。

スチュワートはまだ19歳で、MLBの球団と契約したとしても数年間はマイナーでの下積みが必要と目される。ソフトバンク三笠球団統括本部長は「現時点でお話しすることはありません」と詳細を明かさなかったが、米国のマイナーより充実したソフトバンクのファーム施設から、世界にはばたく選手に成長する可能性は十分ある。