中日松坂大輔投手(38)が23日、実戦復帰にまた1歩前進した。この日、ナゴヤ球場の室内練習場で、井領、近藤、石垣を相手に打撃投手を務めた。

カウントを設定し、実戦での対戦を想定した投球を披露。「ゲームに近い気持ちで投げました。直球以外は良かった」と手ごたえを得た。今後には「明日(24日)の状態次第です」と語るにとどめたが、順調なら6月上旬のウエスタン・リーグ登板の可能性が現実味を帯びる。

とはいえ「夏到来」を感じさせる熱い空気が一瞬、凍りつく場面はあった。ライナー性の打球が松坂の右すねを直撃。だが松坂はすぐに「大丈夫」と応じ、投げ続けた。降板後こそ右肩、右すねをアイシングしたが「大丈夫ですよ」と、表情は変わらなかった。

見守った門倉2軍投手コーチは「ヒット性の当たりもゼロだったし、変化球の精度、キレはすごくよかった」と評価。今後について「後戻りさせるわけにはいかない。より慎重に見極めたい」とし、体調を確認していく考えを強調。その上で「早くゲームで投げる姿を見たいというか、そう思わせる投球だった」と話した。体調の後退さえなければ、1軍復帰へ向けて松坂が前に進む。【堀まどか】