東大は開幕から10戦全敗、勝ち点0の最下位で今春リーグ戦を終えた。健闘はした。先発の小林大雅投手(4年=横浜翠嵐)が低めにボールを集め、打たせて取った。

3回に1点を先制されたが、味方が4回、5回と1点ずつ加え逆転。今季初めて勝利投手の権利を得た。

だが、6回先頭に四球を与え、そこから1失点で同点を許した。さらに8、9回も四球が絡み、1点ずつ追加された。味方打線の追加点はなかった。自身初めて9回完投を果たしたが、7安打4失点で今季4敗目を喫した。

通算42試合目の登板だったが、またも初勝利はならなかった。「前を向いてやるしかないです」と切り出した。開幕当初は絶不調だった。ボールが高く浮き、持ち味を発揮できなかった。シーズン中にもかかわらず、週6回、1日10キロの走り込みと、100球以上の投げ込みを続けた。ブルペンでは、ストライクゾーンの低めいっぱいにワイヤを張り、ゾーンの下半分でストライクを取る練習を繰り返した。

「技術的には、低めへの能力が上がったと思います。厳しい課題をやって、自信を持って投げることが出来ました」と手応えは残った。ただ、すぐにこう続けた。「でも、これでも勝てるわけじゃない。投げ込みを続けながら、練習試合では、試合運び、配球面、勝負する打者の見極めなどを詰めていきたい」と、大学野球最後のシーズンとなる今秋へ向けたレベルアップを誓った。