巨人原辰徳監督(60)が、ルーキーイヤーから知る阿部のプロ通算400号を祝福した。

「もう僕らには考えられない数字。しかもキャッチャーというポジションで。素晴らしい数字だと思いますね。彼らしい、400号にふさわしいホームランだったと思いますね」

今季2度目の3連敗で迎えた一戦は、4回までに3度無死から出塁したが、3併殺打でチャンスをつぶした。球場に漂う重苦しいムードの中、4点ビハインドの5回2死一塁で切り札の阿部を代打に送った。

通常は試合終盤のチャンスで起用するが、試合を動かすために勝負に出た。「4-0になった時にね。何とか慎之助がナインの中に入ることはできないかと。チームの流れ、ムードを変えてくれないかと」

四球でチャンスを広げるも無得点に終わったが、一塁の守備に就かせた。そして、6回の次打席でメモリアルアーチが生まれた。

400本の本塁打を積み重ねてきた要因とは何か。

「やっぱり心技体という部分で、ものすごくそれぞれが優れていたというところでしょう。僕は彼が1年目の時から知っていますが、感情の浮き沈みというのが、悔しがり方というのがものすごく強くてね。1年目、2年目。バッティングというよりもリード面でね。でも、切り替えという点では見事でしたね。ナイターだったら、その夜はガクーッって、どっか反省するんでしょうね。しかし、次の日にグラウンドに来た時は揚々と来ている姿というのは、非常に鮮明に覚えてますね。体もさることながら、心というのがとても強かったからでしょうね」

卓越した打撃技術に加え、メンタルの強さが大記録を生んだ背景にあった。