創部100周年を復活Vで飾った。JR東日本東北(仙台市)が6-3できらやか銀行(山形市)を振り切り、第1代表で4年ぶり26度目の東京ドーム切符を勝ち取った。

初回に3点を先制するなど序盤から若手とベテランの歯車が攻守でかみ合い、終盤も着実に加点。3投手の継投で総力戦を制した。最高殊勲選手賞(MVP)には、入社1年目のルーキー菅野赳門(たもん)内野手(22=駒大)が受賞した。

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古豪が令和元年の東北王者に輝き、創部100周年の節目に花を添えた。JR東日本東北は仙台鉄道管理局時代を含め、4年ぶり21度目の優勝。9回表、最後の打者を空振り三振に仕留め、今大会の新人賞にも輝いたルーキー山田周平(22=敬愛大)は右腕を振り上げてガッツポーズ。ナインは就任2年目のOB西村亮監督(44)を胴上げして喜びを爆発させた。3度宙に舞った西村監督は「最低でもここまではと考えていたのでホッとした」と勝負師の表情を崩した。

新人とベテランの力が融合した。1回裏、1番菅野の内野安打と二塁盗塁を足がかりに、3番鈴木聖歩(せいふ)外野手(22=桐蔭横浜大)の二塁打で先制。大卒ルーキー2人で主導権を握った。カットボールを左翼線にはじき返した鈴木聖は「気合で打った」と先制V打を振り返った。

ベテラン勢も発奮した。続く1死二塁では4番薗部優也捕手(27=東日本国際大)が左前適時打。さらに最年長の6番DH安田尚造(31=仙台大)の中前適時打で、薗部は頭から本塁に飛び込む気迫を示した。2安打1打点で引っ張った10年目の安田は「1年1年が最後だと思ってやっている。(本大会に)3年間行けなかったので、行かずに終わりたくなかった」と歓喜の雄たけびを連発した。

投げては若手3投手の継投で逃げ切った。2年目の加藤弦(23=富士大)が5回1/3を6安打3失点。6回途中からルーキー左腕の桜糀大輝(23=中部学院大)も無安打でしのいだ。温存されたエース左腕の西村祐太(29=桐蔭横浜大)は「チームとして今までと違う勝ち方ができた。(投手)1人では勝てない。ドームでしっかりと投げたい」と全国舞台に気持ちを切り替えた。大会新人賞に輝いた山田も「ドームでも投げたい」と自身初の全国マウンドに意欲。西村監督は「チーム内の活性化ができた。(全国で)5回勝てる力をつけたい」と初の日本一を目標に掲げた。【佐々木雄高】

◆表彰選手 ▽最高殊勲選手賞(MVP)=JR東日本東北・菅野内野手▽新人賞=JR東日本東北・山田投手▽首位打者賞=きらやか銀行・建部翔太内野手(28=八戸学院大)10打数6安打(打率6割)