巨人桜井俊貴投手が、1163日ぶりの先発マウンドで今季2勝目を挙げた。6回2/3を投げ、3安打1失点、3者連続を含む8奪三振の快投。炭谷の好リードにも導かれ、最速149キロの直球を軸に力勝負したかと思えば、110キロ台のカーブで幻惑し、緩急も光った。「先発を目標にやってきたのでうれしいです」と先発での初勝利をかみしめた。

3年の時を経て、苦かった記録を上書きした。1年目、16年3月30日のDeNA戦でプロ初登板初先発。右肘痛を発症し、5回途中4失点で降板した。2年目は19試合に登板も、昨年は1軍登板ゼロ。試行錯誤を重ねた3年間を「苦しい時もあったけど、今につながっています」と脱力フォームに行き着き、球威、球速ともに向上した。

最大の転機は、2年目のオフから参加する菅野との自主トレだった。「(菅野は)24時間、野球のことを考えている」と日頃のケアなど、生活面から見直した。中継ぎを経験し「しんどさや苦しさを味わった。少しでも長い回を」との強い思いも好投に直結した。宮本投手総合コーチを「投げっぷり、投げ様を見せてもらった。遅咲きのヒーロー、ナイスでした」と感嘆させた。【久保賢吾】