東大の投手コーチに就任した元ヤクルトの松岡弘氏(71)が12日、同大での指導を開始した。

東京・文京区の東大球場で午前9時ごろから指導。まず「数試合、見させてもらったけど、勝つことより負けない野球をしてほしい。そのための最低限を教えたい。何かあったら、どんどん来てください」と呼び掛けた。

初日から早速、ブルペンに足を運び、投球練習の指導にあたった。「目で相手を殺せ。目と目が合えば、走者は動けなくなる」と具体的に助言を送った。「打席で投手をにらむ王さんは、すごかった」と、プロでの経験談も交えた。

とりあえずの任期は今秋まで。今後は週3回ペースで教える。「(東大の部員は)本当に一生懸命、やっている。でも、考えすぎている。大事なのは、頭をコントロールすること。まずは見ること」と、プレーにおける洞察の重要性を語った。浜田一志監督(54)も「うちの投手は『打たれるんじゃないか』と思いながら投げている。心と体のコントロールをつけてもらいたい」と期待していた。

東京6大学の東大は、今春リーグ戦で10戦全敗。チーム防御率は8・41を喫しており、投手力の強化が喫緊の課題となっている。