楽天辛島航投手(28)が「日本生命セ・パ交流戦」で4年ぶりの白星を挙げた。広島1回戦(楽天生命パーク)に先発し、7回を6安打2失点。今季最多となる122球の力投で、5勝目(3敗)をマーク。チーム新記録となる7本塁打をマークした打線に花を添えた。

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打線の1発攻勢にも助けられ、楽天辛島が粘り強く白星をつかんだ。

辛島 野手の皆さんのおかげです。早めに点を取ってくれて、楽な状態で投げられました。

セ・リーグ首位を走る広島の強力打線を封じてみせた。「前回(7日中日戦)はストライクが入らなかったので、話にならなかった。広島は、1人ずつ、とにかく勝負していかないといけない」と話した通り、3回4失点でKOされた前回登板を反省。この日も122球と球数は要したが、しっかりと勝負に徹した。

味方が5点を先制して迎えた2回、広島会沢に2ランを浴びたのも“想定内”だ。「(大量得点の後で)フォアボールで流れを悪くするくらいなら、打たれた方がいいかなと思ったら、本当に打たれちゃいました」と笑い飛ばした。3回以降は気持ちを入れ直し、粘り強く0を並べた。

ベテラン正捕手の嶋が腰痛で離脱し、ルーキー太田や高卒4年目の堀内がマスクをかぶる状況だが、辛島は「キャッチャーがどうより、自分がどれだけ投げられるかが大事。気にしてないです」と言い切る。この日も太田と話し合いながらゲームメーク。「(リードは)よかったんじゃないですか」と後輩捕手をたたえた。平石監督も「本人は(内容に)納得してないだろうけど、野手に助けられて、悪いなりに粘ってくれましたね」と左腕を評価。大爆発した打線の陰で、辛島が存在感を示した。【鈴木正章】