日本ハムのエース上沢直之投手(25)に大きなアクシデントが襲った。

先発した「日本生命セ・パ交流戦」のDeNA1回戦(横浜)の6回に、ソトの打球が左膝の皿を直撃した。その場で倒れた上沢は担架でグラウンド外へ運ばれ、横浜市内の病院へ救急搬送された。19日にも発表される検査結果次第では、長期離脱の可能性もある。試合も0封負けで今季3度目の3連敗を喫した。

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上沢に襲ったアクシデントに、栗山監督も軽症を祈るしかなかった。「情報を待っている。何とも言えない。ナオ(上沢)の状態が、いいことを信じている」。左膝に打球が直撃してから30分足らずで、サイレンを鳴らした救急車が球場に到着。そのまま横浜市内の病院へ向かった。吉村GMも「(精密検査などに)時間がかかるので、今日はリリースできません。とにかく、診断待ち」と説明した。

衝撃的な光景だった。6回2死無走者。打者は4回に20号ソロを浴びていたソトを迎えていた。1ボールからの2球目。122キロのナックルカーブを捉えられた打球が、左膝の皿を直撃した。上沢は投げ終えた直後で、左足で立っていた状態。打球スピードも著しく速く、避けることは不可能だった。マウンド上で、左膝を手で押さえながら倒れ込んだエースの表情は、激痛でゆがんでいた。

捕手清水が一塁送球でアウトにしたが、すぐに栗山監督や木田投手チーフコーチ、トレーナー、選手らもマウンドに駆け寄った。スタンドの3万1813観衆も無事を祈るように、固唾(かたず)をのんで見守った。そして、激励の声も飛ぶ中で、上沢は持ち込まれた担架に乗せられ、グラウンド外へ運ばれ、病院へ。そのまま入院する可能性もあり、19日にも判明する検査結果次第では、長期離脱となることも考えられる。

試合も今季3度目の0封負けで、3連敗といいところがなく終わった。栗山監督は「1試合1試合、必死になってやるしかない」と声を絞り出した。上沢はアクシデントの有無に関係なく、登板機会が空くため、19日に出場選手登録を抹消される予定だった。交流戦明けの先発ローテに名を連ねることが出来なくなれば、チームにとっても大きな痛手。開幕投手を務めた大黒柱の代わりは、いない。今は、とにかく、軽症であることを願うしかない。【木下大輔】