ボクシングWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が22日、プロ野球の交流戦、横浜DeNAベイスターズ-東北楽天イーグルス戦(横浜)の始球式に臨み、内角高めにノーバン投球をみせた。

会場入りしてから投球練習場でDeNAの三浦大輔投手コーチから指導を受け「ど真ん中を狙っていた」(井上)ものの、予想よりもインハイになってしまったという。「練習では真ん中にいっていた。練習通りに投げたんですけど。これが練習と本番の差ですね。結構、いい球がいっていたんですけど、本番に弱かった」。ボクシングのリングでみせ続ける“本番の強さ”を披露できずに苦笑いを浮かべた。

初めて世界王座を獲得(WBC世界ライトフライ級王座)した14年5月のDeNA-中日戦以来、5年ぶり2度目の始球式だった。当時の日本最速6戦目での世界王座奪取にあやかり、今回も背番号6の特製シャツを着用。球場で名前がコールされるとどよめきが起こると「前回よりも人は入っていて。野球ファンの方から声をもらえることはうれしいことですね。緊張しました。楽しめたので良かったです」とほっとした表情をみせた。

先月18日に英グラスゴーでワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)準決勝を制した井上は、今月18日からジムワークを再開した。年内に開催される予定のWBAスーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)との決勝に向け、動きだした。WBSS決勝の開催国、場所は未定。野外スタジアムの開催は「雨で1発で終わってしまうので」と消極的だったが「ドームでやりたいですね」と期待していた。