貫禄たっぷりのマウンドさばきだった。中日大野雄大投手(30)が交流戦明け初戦の阪神戦で7回1失点と好投し、チームを今季初の4連勝に導いた。

2回に5点リードをもらうと、走者を許しても要所を締める大人の投球。今季5勝目を手にして「ある程度はボールを操れた」と納得した。

リーグ戦再開初戦の先発マウンド。「今日立たせてもらった意味を考えて投げた」。140キロ後半の強い直球に変化球を効かせ、8安打を浴びながら粘投した。7回は1点を奪われ、なおも1死一、二塁で代打原口を空振り三振。2ボール2ストライクからサインに首を振り、内角146キロ直球に思いを込めた。

昨季はプロ1年目の11年以来となる未勝利。今季は春先から懸命に試合を作り続け、首脳陣の信頼を取り戻しつつある。与田監督はこの日、味方攻撃中にベンチ前で行うキャッチボールにしても「丁寧にやっている」と評価していた。伝え聞いた左腕は思わぬ褒め言葉に「高めに浮いている時は相手に座ってもらってワンバウンドを投げて、リリースポイントを前にしています」と照れ笑いだ。

これで阪神戦は通算20試合登板で10勝4敗。「虎キラー」復活の兆しがある。「連勝を伸ばせて(リーグ最多8勝で30日先発する)柳につなげたのは大きい。まだ借金がたくさんあるので1個1個返していきたい」。背番号22にはやはり、頼もしい言葉が似合う。【佐井陽介】