手堅さを欠いて、みすみす敗れ去った。阪神は勢いをつけたいリーグ戦再開初戦をワンサイドゲームで落とした。

一気に敗勢に傾いたのは2回だ。先発青柳が1死後、高橋、井領に四球を連発。阿部に右前へ軽打でつながれて満塁のピンチを背負う。初球がボールになって後手に回る。加藤にボール先行で速球を右翼線にはじき返され、先制の2点を献上した。

負けるべくして負けた。矢野燿大監督(50)も淡々と「点を取られる典型。四球を出してカウントを悪くして(ストライクを)取りにいってという。そういう感じになっちゃった」と振り返った。投球だけではない。大野雄の打球は一、二塁間へのボテボテのゴロ。二塁糸原が重なる格好になり一塁マルテが捕ったが送球するはずの一塁に誰もいない。青柳がベースカバーに入れず、内野安打で走者をためた。

指揮官は続ける。「(カバーに)行っておくべきだとはもちろん思う。それでセーフになるなら仕方ないけど、やることをやれていたかというと。そういうふうになっちゃうから」。凡事徹底できず、さらに平田の左前適時打などで3失点と傷口を広げた。5安打を集中されて一挙5失点。「5点というのはどうしても重くなる。追いかけるのがしんどい感じになった」と指揮官も、白旗を揚げるしかなかった。

打線は左腕アレルギーをまたも露呈してしまった。内外角に140キロ後半の速球を投げ分ける大野雄に苦戦。7回に木浪の適時打で1点奪うのが精いっぱいだった。相手先発が左投手なら9勝14敗3分け、チーム打率も2割2分に落ち込み、足かせになっている。指揮官は「走者が出たら最後のかえすところができてない。相手も絶対に打たさんというなかで、こっちの気持ちも技術も含めて上回っていかないとなかなか点は取れない。つなぐとか選ぶのは大事」と続け、しぶとさを求めた。

交流戦を負け越し、仕切り直しの一戦でも停滞ムードをぬぐえない。またも勝率5割に逆戻り。サヨナラ勝ちした4位DeNAに0・5ゲーム差に迫られ、もどかしさだけが募った。【酒井俊作】