ネット連動企画「みんなの総選挙」第8回は「マスコット総選挙セ・リーグ編」です。日刊スポーツのWebサイトで投票を募ったところ、過去最多となる有効投票数1万4140が集結。その7割以上となる1万449票を集め、ヤクルトのつば九郎が1位を獲得しました。圧勝劇の裏にはちゃっかりした“選挙活動”があったようです。

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誕生から25年を迎えたヤクルトの名物マスコット・つば九郎が、老若男女から幅広い支持を獲得。2位以下を大きく突き放すトップ当選の裏には、抜け目のない“選挙戦術”があった。

投票開始の翌日となる6月27日、オフィシャルブログで「りっこうほしたおぼえはない。」と題して投稿。日刊スポーツ投票サイトの直リンクを貼り付けて「きよき1ぴょう」を呼びかけた。フォロワー数6万人を超える人気ブログ。コメント欄は「投票してきました」との声でたちまち埋め尽くされた。

固定ファンからの大規模な組織票が流れ込んだ可能性は極めて大きいが、当企画にはそれを禁止する規定はなく、れっきとした正当な「選挙活動」だ。つば九郎本人を直撃しても「せんきょいはんはしていません」と動じなかった。

それでも、つば九郎票を詳しく見れば1位も納得の結果だ。「あの貫禄とかわいらしいの同居がたまらない」(大阪・30代女性)「かわいくて、個性的」(福岡・10代以下男性)とメタボ体形の愛らしいルックスを評価する声に加え「動きや、フリップ芸もおもしろくて最高」(東京・30代女性)「ブラックの中にもユーモアあり。とにかく見てて元気になれます」(神奈川・50代男性)。時事ネタも交えた毒舌フリップトークは「面白さは並みの芸人以上」(広島・50代女性)と評価が高い。

かわいらしさとふてぶてしさ。毒舌の裏の深い野球愛。“人間味”にあふれた特異な存在感は、これからも多くのファンに愛されることだろう。【鈴木正章】