右肘のトミー・ジョン手術を乗り越えた日本ハム中村勝投手(27)が、確かな再起の1歩を踏み出した。

ロッテ13回戦(ZOZOマリン)で、17年6月以来768日ぶりに先発。「すごく興奮もしたし、緊張もした」。立ち上がりは3者凡退スタート。「初回はしっかり投げたボールは打者を差し込めていた」。復活星は逃したが、苦しいリハビリ生活を経て、2年ぶりに1軍の舞台にカムバックした思いをぶつけられた。

完全復活の途上であることも再認識した。2回は2四球でピンチを広げ、田村に先制打を献上。3回も自らの野選で失点すると、無死満塁から清田にグランドスラムを浴びた。2回0/3を3安打6失点。「あらためて、実力不足だなと感じた。練習あるのみです」。悔しさを味わえるのも、目指してきた場所に戻ってこられたから。だからこそ、力強く、言葉も紡いだ。

中村 やっとスタートラインに立てた。1軍の舞台で投げる目標も達成できた。その中でチームに貢献できないと使ってもらえない。ファームに戻って、誰よりもいい成績を出して、また呼んでもらえるようにしたい。

栗山監督も「必死な思いは伝わりすぎていた。そういう思いは必ず、チームを前に進めてくれるはず」と熱く語った。チームの連勝は4で止まったが、覇権奪回に必要な戦力のひとりが戻ってきた。【木下大輔】