ロッテが、吉井理人投手コーチ(54)もしてやったりの継投プランで、前半戦最終戦を勝利で飾った。今季ショートスターターを多用する日本ハム相手に6投手の継投で完封勝ち。先発予定のボルシンガーが右足首捻挫で登板を回避する中、「ブルペンデー」で乗り切った。右肘の違和感で抹消されていた石川が中継ぎで復帰し登板するなど、総力戦で白星を勝ち取った。

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吉井コーチが試合前に思い描いたプランが、現実になった。1番手を任せたのは唐川。「どんな状況でも普段通り投げてくれる。四球を連発することなく大崩れもない」。期待通りの無失点で、まず流れを作った。

肝と位置づけたのは2番手だ。「オープナーは2番手が崩れると終わってしまうので、チェンか石川かと思った。石川は病み上がりなので」。2番手はチェン、3番手に石川を選択。石川は9日にファームで3回程度の登板を予定していたが、緊急事態ということで中継ぎに入った。「乱暴ですけど、2回くらい投げれたらと。ボルシンガーがケガしていなかったらこういうことはなかった」。

就任1年目の前半戦を「リリーフ陣は益田、松永以外は素人だったのでほんとに頑張った」と振り返る。そんな投手陣を支えたのは「チームB」と呼ばれる中継ぎ陣だ。決して負けパターンというわけではなく、チームに勢いを取り戻す重要なピースと位置づけた投手だ。この日登板したチェン、田中はシーズン当初、勝ちパターンの投手ではなかった。「何回もゲームを立て直すために投げてもらって、勝ちを拾ったり、負けのゲームでも最後まで投げてくれた。彼らのおかげで正直手薄な中でやってこられた」と感謝した。

緊急事態と思われた球宴前の最終戦で、前半戦を総括するような中継ぎ陣フル回転の勝利を挙げた。「監督も『いつかこういう日が来るでしょうね』と言っていた。それが今日でよかった。月に1度あってもしんどい」。言葉とは裏腹に晴れやかな笑顔だった。【久永壮真】

◆ロッテ井口監督 今日はブルペンデーだったんですけど、ブルペン全員でしっかり守り抜いてくれたと思います。