<マイナビオールスター2019:全セ11-3全パ>◇第2戦◇13日◇甲子園

夢舞台を見届けた全セの広島大瀬良大地投手(28)が日刊スポーツに手記を寄せた。第1戦で先発し、この日は登板がなかった右腕は、今回の祭典で感じたことを記した。試合は阪神のドラフト1位近本光司外野手(24)が、新人では史上初となるサイクル安打を達成。MVPを獲得した。後半戦はセ、パ両リーグともに15日に開幕する。

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うれしいことがありました。第1戦で阪神原口がホームランを打ったことです。感動しました。先発した後、グラウンドに戻って一塁ベースコーチとして見ていましたが、ホームまで走って戻ってハイタッチしました。第2戦の本拠地甲子園でも打つなんて、本当にすごいですね。

もともと阪神岩貞と梅野とは同じ九州出身の同学年ということで、仲がよかったんです。2人との話の中でよく出てくるのが、こちらも同学年の原口のことでした。「人間的に律義でいいやつだよ」と。面識もないのに、勝手に親近感を持っていました。今年のオフ、がんの手術を受けるというニュースを見てびっくりしました。どうしても気持ちを伝えたくて、岩貞に連絡先を聞いて、こちらから連絡しました。「がんばって戻ってこられるように。次は真剣勝負しよう」とメッセージを送ったんです。

その後、甲子園で練習しているところに「ありがとう」と言いに来てくれました。やっぱり律義なやつだなと思いましたね。これまでの対戦では打たれていないはず(2打席で1打数0安打)。今年の対戦はまだないですが、次に当たることがあれば、グラウンドの中でしっかりと戦いたいと思います。

後半戦が始まります。前半戦の終盤で、2戦連続で打ち込まれました(6月19日ロッテ戦はプロ最多4被弾、同28日DeNA戦はプロ最多の被安打12)。実はここまで、ああ、いいなと思って投げたことはあまりないんです。去年のほうがまだ、自信を持ちながら投げられた。だから、打たれたらこうしよう、ああしようと考えながらやってきたんです。終わったことは取り返せない。この経験をどう生かすか。最後、よかったと思えるようにするには、大事な1つの分岐点なのかなと思います。

シーズンは大事なところに差し掛かってきます。1戦1戦やっていくのは変わらずですけど、その中で、なんとか僕が投げるゲームは、僕に勝ちがつかなくても勝てる可能性が高いゲームにしてきたい。そういうゲームをたくさん、つくっていきたい。そうすれば、うちのチームだったら勝ってくれると思います。(広島カープ投手)