捲土(けんど)重来を期す。広島大瀬良大地投手(28)が19日、首位巨人との3連戦初戦に先発する。

後半戦も負け越しスタートとなったチームは借金6を抱え、首位巨人に12ゲーム差の5位と低迷する。大瀬良自身も4連敗中と白星から遠ざかる。相手は難敵も、流れを変えるには格好の相手。エースとして、チームを勢いづける投球を見せたい。

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後半戦初登板が大事な一戦になると理解している。登板前日の大瀬良は、平地で投球間に相手を座らせて投げるタッチアンドフィールにも熱がこもった。真っすぐ、カットボール、スライダー、カーブ、フォーク…。いつもより多い球数を投げ、最後は笑顔で大粒の汗を拭った。

12ゲーム差で追う首位巨人との直接対決初戦を任された。敗れれば自力優勝が消滅する。「チームに勢いを持ってきたい。大事な試合。これ以上離されるわけにはいかない」。後半戦を負け越しスタートしたチームの重苦しい空気を吹き飛ばすためにも、勝利が求められる。

菅野に投げ勝てば、勢いはつく。過去4度対戦し2勝1敗と勝ち越し、今季開幕戦では投げ勝っている。「1点の重みが、すごく特別になる。簡単に与えてはいけない。いろいろ工夫しながらやっていければ」。開幕戦も7回まで1得点に抑えられているだけに、1点が試合を大きく左右することになりそうだ。

強力打線を抑えることでも、勢いはつく。巨人はチーム打率も総得点もリーグトップ。封じるのは簡単ではない。「1点を取りに来る執念というものを感じます。粘り強い野球をやっているイメージがあるので、そこに根負けしないように1個ずつアウトを積み重ねていければ」。丸から4打席連続三振を奪い、坂本勇も1安打に抑えた開幕戦のような快投が期待される。

エースが勝てば、勢いはつく。6月12日日本ハム戦から自身4連敗。悪い流れを止められず、チームは大型連敗を繰り返す。「こういうときにしっかり勝っていくことで信頼も得られる。自分自身に変にプレッシャーをかけるつもりはないんですけど、責任というものはそれなりに持って臨みたい」。首位巨人を相手に、大瀬良がチームとともに捲土(けんど)重来を期す。【前原淳】