痛恨の引き分けだ。日本ハムは楽天20回戦(札幌ドーム)で勝ちきることができなかった。

投手陣は四球が失点に結びつき、序盤のリードを守れなかった。打撃陣も4併殺などで再三の好機を生かせず、3回以降は無得点と攻めきれず。チームにとって今季最長5時間15分の熱闘は、約2週間ぶりの連勝と3位タイ浮上を逃す、悔しい結末に終わった。

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日本ハムは負けなかったが、勝つこともできなかった。試合後の栗山監督は「個人的には…監督という立場としては、勝ちきれなかったことを反省したい」と振り返った。1勝の重みが増す、シーズン終盤での引き分け。投打で思い通りに試合を運べなかった。

打線は3回以降、無得点に終わった。4点目を奪った直後の2回から3イニング連続で併殺を奪われ、勢いをそがれた。8回以降は得点圏に走者を何度も進めたが、あと1本が出ず。延長12回も先頭の大田が安打で出塁も、初回の先制2点打など3長打を放って復調気配の近藤が併殺打で万事休す。近藤が「追加点が取れる場面もあった。勝ちきりたかった」と悔しがったように、あと1点に手が届かなかった。

投手陣は悔いが残る失点が続いた。先発金子は初回先頭の茂木に与えた四球が先取点献上につながった。逆転し、3点リードとなった4回も先頭ブラッシュへの四球を起点に2点目を失った。4番手の堀も1死から茂木に与えた四球で浅村との対戦となり、同点2ランを被弾した。3四球いずれも警戒すべき打者に細心の注意を払った結果でもあるが、代償も大きく跳ね返ってしまった。

終盤の攻防で、栗山監督は次々と手を打ったが、勝利には結びつかなかった。だが、序盤のリードを追いつかれる嫌な展開でも負けなかった点を「選手たちは、ああやって何とかしようとして、粘っている。こういうふうに1日を過ごすしかないところ」と、たたえた。残り31試合。首位ソフトバンクとは8差、2位以下は5差以内にひしめく。「あれだけ負けて(9連敗)申し訳ないけど、まだ戦える。そんな幸せなことはない」。優勝も、最下位もあるサバイバルはまだ続く。この引き分けを混戦を抜け出す糧にしたい。【木下大輔】