明大のドラフト候補右腕は森下だけじゃない。伊勢大夢投手(4年=九州学院)が東大2回戦に先発し、6回2安打無失点で昨春以来の通算4勝目を挙げた。サイド気味から自己最速タイ151キロを記録。連覇を目指すチームに連勝で勝ち点をもたらした。

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荒々しいだけではなかった。登板前、伊勢は前日に完投した森下から「東大のバッター、いいよ」と聞いていた。連敗が続く相手にも油断しなかった。「上位が振れている。今までの東大とは違うと感じました。(1回戦の)勢いが残ってました」。丁寧さを意識し、連打を許さなかった。サイド気味に繰り出す直球は自己最速タイ151キロを記録。スライダー、ツーシーム、シンカーなどを交え、きっちり0を並べた。

今春は、後輩の竹田に2回戦の先発を渡してしまった。「秋はずっと自分が先発の気持ちでした」と、大学ラストシーズンで負けられなかった。夏のオープン戦の不調を修正し、リーグ戦に間に合わせた。大安だった前日にプロ志望届を提出。近く、公示される。「右のオーバーハンドは多い。変則で勝負していきたい」と未来を思い描いた。

▽明大・善波達也監督(伊勢の2回戦先発に)「竹田、入江も候補でしたが、一昨日の練習中に決めました。今日のような質のいい直球を投げていた。将来を開くチャンスがあるので、伊勢でいこうと」

▽東大・浜田一志監督(初戦惜敗もこの日は8失点の完敗で連敗スタート)「連敗ですが、暗いムードはない。負け癖のついたチームが、ちゃんと戦えると分かった。1戦必勝で次に向かって頑張ります」

▽広島苑田スカウト統括部長(伊勢に)「フィニッシュで腕が振れるので、打者は打ちづらい」

▽ロッテ下敷領スカウト(伊勢に)「あの(サイド気味の)投げ方で150キロ超は打ちづらい。どの球団も候補に残すと思います」