ルートインBCリーグ選抜が巨人3軍との交流戦に大勝した。打線は17安打で11得点。守っても7投手による継投で散発4安打に抑えた。

8回には、今秋ドラフト候補に挙がるBC武蔵の右腕・松岡洸希投手(19=桶川西)が登板。サイドスローから常時140キロ台中盤の速球で押し、3者凡退に封じた。巨人の3番モタを空振り三振に仕留めた内角高め直球は、自己最速を1キロ更新する148キロをマークした。

日米10球団以上のスカウトが視察する中でのパワーピッチングに「状態は良かったです。アドレナリンも出ていたので、速い球がいきました」と松岡。桶川西時代は無名の存在で、3年夏の埼玉大会は前年全国制覇の花咲徳栄に初戦敗退した。大学からの誘いもあったが「1年でNPBに行きたくて」と地元埼玉に本拠を置くBC武蔵を志望した。

入団後、右ひじ痛の副産物でサイドスローに転向した。「フォームも球威もすべてあこがれます」という元ヤクルト・林昌勇をイメージしながら練習を重ね、急成長。ロッテ永野チーフスカウトは「投手経験が浅い分、伸びしろはあるのかなと思う」と印象を話した。“武蔵の林昌勇”の将来性に注目する球団は多く、10月17日のNPBドラフト指名を待つ。

9回にはBC新潟の右腕・長谷川凌汰投手(23=龍谷大)が登板し、打者3人への13球全てを146~150キロの直球で押した。野手ではBC武蔵の大型リードオフマン・加藤壮太外野手(21=中京)が3安打に加え、俊足を生かした好守備を連発。BC石川の喜多亮太捕手(23=セガサミー)も安定した攻守を見せるなど、各自が持ち味をNPB関係者にアピールした。交流戦は20日にもジャイアンツ球場で行われる。

ルートインBCリーグは、07年に北信越BCリーグとして4球団でスタート。13年目の今季は11球団にまで増えた。07年にBC石川・内村賢介内野手が楽天に育成1位指名を受けたのを皮切りに、これまでに41選手がNPBからドラフト指名を受けている。