ガッツが日本ハムを生まれ変わらせる。小笠原道大ヘッドコーチ兼打撃コーチ(45)が10日、栗山英樹監督(58)とともに札幌市内のホテルで就任会見に臨んだ。14年ぶりに古巣復帰した覇権奪回のキーマンは、来年2月の沖縄・名護は地獄のキャンプとなることを予告。ハードな練習で、全選手に1年間を戦い抜く心身の強さを求めると宣言した。

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小笠原ヘッドコーチ兼打撃コーチは会見冒頭、北海道へ向けて「ただいま!」と笑顔であいさつした。06年以来、14年ぶりに日本ハムへ、北の大地へ、帰ってきた。当時の同僚は鶴岡しかいない。時の流れを感じつつも「また1から、0からのスタートと思ってやっていきたい。自分が今まで経験してきたこと、勉強してきたことを、なんとか北海道に恩返ししたい」と力強く、宣言した。

ヘッドコーチとしては、選手にペナントレースを勝ち抜く“強さ”を求める。「あらゆるものが足りないから、今年の順位だと思います」と5位に終わったチームを評した。チームは2年連続で夏場以降に失速した。シーズンをフルで戦いきる体力、精神力の養成は課題の1つ。足りないものは、何か。「基礎体力。いろんな強さが必要。もう1度、見つめ直してやっていくのが、いいと思います」。春季キャンプ中の練習量を増やすプランも温めている。青写真は強烈だった。

「ケガをする可能性も出てきますけど、やっぱり、そのくらいやっていかないと。その中で残っていく強い人間が、1年間戦える。投手も野手も含めて」

今秋キャンプから始動予定で「2月に向けての予行練習みたいな感じ。いきなり、100ではいけませんから。1割も満たないくらいで、できたら」とチーム改革案の輪郭を描き始めている。

打撃コーチとしては、2年間で14本塁打にとどまった清宮覚醒へのサポートも期待される。天性の長打力は認めつつも「補わなくてはいけない部分がたくさんあります。1つだけやっていればいいということではない。それだったら、1軍にはいられません。全てにおいて、野球を勉強してもらわないといけない。頭の中で終わるのではなく、プレーで常に体現できるように」とあえて注文した。

現役時代は猛練習を重ねて、超一流に上り詰めた。当時、取材を受けたこともある栗山監督からは「『小笠原道大』を作ってくれ」と泥臭く、努力を続けられる選手を育てることを求められた。「期待してもらっていることなので、100%以上のもので応えていきたい」。まずは、現状把握から始め、課題を全て洗い出し、チーム再建へ栗山監督とともに、強く推し進めていく。【木下大輔】