2連敗の中、阪神は近本光司外野手が希望の光となった。

第1戦の2番から打順を上げ、1番中堅で出場。1点を追う3回1死。先発左腕メルセデスに追い込まれたが3球ファウルで粘り、8球目の外角直球を左前に運んだ。DeNAとのCSファーストステージ第2戦の第1打席以来、15打席ぶりの安打。眠っていたバットに久々の快音が響いた。

立て続けに足でも見せた。続く2番北條の打席。計4度のけん制を受けても、ひるまなかった。3球目で果敢にスタートを切ると、悠々二塁を陥れた。「警戒された中で走ることができて良かった」。執拗(しつよう)な警戒にも「いいスタートを切らなくてもいいと、筒井(外野守備走塁)コーチと話していたので」と、想定通りだった。チームは敗れ、後がなくなった。絶体絶命の第3戦に向け「しっかり塁に出て、しっかり走って、(本塁に)返ってきたい」ときっぱり。復調気配のルーキーが突破口を切り開く。【奥田隼人】