「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が17日に都内で行われた。

阪神と運命の糸で結ばれていたのは、創志学園・西純矢投手(3年)だった。抽選で星稜・奥川を外した阪神から、1位で指名を受けた。意中の球団からの指名だった。「今年もAクラスに入って、すごく好投手が多く強い球団だと思います。チームの優勝に貢献できるように頑張りたいと思います」と喜んだ。

縁に感謝した。昨夏沸かせた甲子園がプロでの本拠地となる。「甲子園では昨年負けたまま終わっているので、阪神タイガースに入団してから借りを返せるような投球ができればと思います」。佐々木、奥川、及川とともに「高校四天王」と呼ばれた右腕が、聖地に帰ってくる。

遠縁に当たる西勇輝とチームメートとなる。8人きょうだいだった曽祖父からつながりがあり、曽祖父の葬儀の時に親戚から写真を見せてもらったことがあった。高校時代から投球映像を見て研究してきた。「技術的なところを教えてもらいたい。コントロールが課題なので、そこを学びたい」。早くも弟子入り希望まで飛び出した。

夢見ていたプロ入りを一昨年に45歳で他界した父に報告できる。「昔からプロ野球選手になりたいと言っていた。指名をいただいた報告ができる」。忌引のみで部活に復帰し、そこから野球に取り組む姿勢が変わった。同校野球部の長沢監督は「態度が変わった」と目を細める。

緊張した表情が見られた右腕だが、阪神から横浜・及川ら同じ高校生が指名されたことを聞くと、ようやく高校生の笑顔に戻った。「切磋琢磨(せっさたくま)して、チームを引っ張っていけたら」。気迫を前面に押し出す投球で甲子園を沸かせた右腕が、虎の主戦として甲子園で躍動する日が待ち遠しい。【前原淳】