女子中学生が堂々の投球を見せた。埼玉オールスターズ(埼玉県代表)の先発マウンドに上がった右腕・本橋未菜投手(15)だ。

軟式独特の強いスピンがかかった相手の打ち損じを捕球できず、そこから失点し3回途中1安打3失点で降板。「これまで自分のミスでピンチを作ることがなかったので、心の整理ができないまま失点してしまいました」。試合に負けたこともあり、冷静を貫けなかったことを悔やんだ。

最速108キロの直球に、80キロ前後のカーブを織り交ぜ、男子選手にジャストミートをほとんど許さなかった。特に縦に割れるカーブは、コントロールも含めて絶品だ。大会関係者たちからも「素晴らしい」と感嘆の声が続出した。

実績もある。埼玉・和光市立大和中で野球部に所属し、夏の全国大会ではチームの8強入りに貢献。その投球術が買われ、選抜チーム入りを果たした。「他の投手との緩急(の差)があるので」と謙遜するものの、直球の回転量は男子部員より多いという。今大会でも3試合で先発を任された。

家族に野球、ソフトボールの選手歴があり、小学生になると自然とグラブを手にした。「苦しい時とかたくさんあると思うんですけれど、勝てた時の喜びもすごい。仲間もできるし、素晴らしいものだと思います」と、ずっと野球を追い続けてきた。

これからも白球を追う。「より高いレベルで野球をしたい」と高校では硬球にも挑戦するつもりで「埼玉の高校の、女子硬式野球部でプレーできればなと思っています」と夢見ている。女子プロ野球選手への興味も「少しはあります」とはにかんだ。