16年に覚せい剤取締法違反で有罪となり、執行猶予中の清原和博氏(52)が17日、逮捕後初めてユニホーム姿でグラウンドに立った。

沖縄・浦添市内でのイベントにPL学園の後輩、立浪和義氏(50=野球評論家)らと参加。現役時代同様、長渕剛の「とんぼ」をバックに登場し、佐々木主浩氏(51=日刊スポーツ評論家)と対戦するなど「清原劇場」でファンを楽しませた。大歓声を浴び「この日のことは一生忘れない」と無邪気な笑顔を見せた。

   ◇   ◇   ◇

快晴のANA BALL PARK浦添に「とんぼ」が響き渡る。「FM沖縄開局35周年記念ドリームマッチ」で16年1月11日の名球会セ・パ対抗戦以来、1406日ぶりにユニホーム姿で清原氏がグラウンドに現れた。ブルーのユニホームには巨人、オリックス時代の背番号5。少し照れた表情で、帽子を取ってお辞儀した。

「自分が事件を起こして、こういう機会を与えてくれたことに心から感謝している。久々にグラウンドに立って、子どもたちと、思いきり野球ができた。この日のことは一生忘れない。これからも精進していきたい。また新たなスタートだと思う」

突き出た腹の下にベルトが隠れ、足をいたわるような動き。対戦相手を圧倒してきた現役時代の勇姿とは、ほど遠い。だが少年とのふれあいが始まると、清原氏の天真らんまんな笑顔が戻ってきた。子どもたちとじゃれ合い、バットを握ると、かつての豪快なスイングも披露した。

イベント中も「清原劇場」は続いた。デモンストレーションでは、軟球に苦戦。当たり損ねの捕邪飛を少年捕手に好捕され、ふくれっ面。浦添市少年選抜チームとの対戦では「4番・清原」のアナウンスでさっそうと登場も、第1打席は一邪飛。だが3回の第2打席では右前への同点打を放った。一塁で、動きが鈍くなっていることを忘れて? リードを取り、あっさりけん制死。「オイ!」と1人ボケツッコミで観衆の笑いを誘った。5回の第3打席では大魔神・佐々木氏と対決。8球粘ってからの中前適時打で、球場を歓声で埋め尽くした。

「僕自身、今いろんなものと闘っている。ユニホームがブルーだった。ライオンズ時代のことを思い出した」。罪を償う日々の中で、沖縄の1日は清原氏の力になった。【伊東大介】