阪神が緊急事態に備えて外国人補強策を練り直す。ピアース・ジョンソン投手(28)、ラファエル・ドリス投手(31)との残留交渉がまとまらず、今月末が期限の保留者名簿から外すことを正式に決定。

谷本修球団副社長兼本部長(55)は、日本球界でプレー経験のある外国人投手を含めて幅広く調査すると明かした。両助っ人との合意最優先で交渉を継続するが、最悪の事態を想定して準備に入る。

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提出期限までに朗報は届かなかった。谷本副社長は、残留交渉を続けるジョンソン、ドリスを保留者名簿から外すことを明言した。難航する交渉の状況について「変わらないです」と明かし、「30日にはいったん外すことになると思う」と苦渋の表情を浮かべた。開幕のセットアッパーと抑えのダブル流出が、現実味を帯びる…。そうなれば、虎の最大の強みである鉄壁ブルペンが崩れる危機だ。

有事に備えて、日本球界でプレー経験のある外国人投手の本格調査を始める。同副社長は、具体的な選手名を挙げることはなかったが、「そういう方も調査の対象になるでしょうね。あらゆる可能性を探っていかないといけない。メジャーも含めて自由になった選手は常に見ておかないといけない」と話した。2投手との残留交渉と平行して新たな調査にも着手-。あらゆる可能性を想定して調査を行う方針だ。

日本でプレー経験のある投手候補として、ジョンソンやドリスと同様、今回所属球団の保留者名簿を外れる複数の名前が挙がる。今季限りでの退団が判明しているロッテのマイク・ボルシンガー投手(31)は来日1年目の昨季に13勝2敗とパ・リーグ最高勝率をマーク。今季は左脇腹の違和感などで4勝止まりだったが、来季も日本でのプレーを希望している。ソフトバンク退団のアリエル・ミランダ投手(30)は昨季のシーズン半ばに加入し、6勝1敗。今シーズンも7勝5敗をマークした。

セ・リーグ最優秀中継ぎのジョエリー・ロドリゲス投手(28)はメジャー志向が強く、獲得の可能性は低いが、先発投手にも虎の中継ぎで輝きを放つ選手が埋もれている可能性もある。同社長は「不吉なことは言わないでください。ジョンソン、ドリスを最優先でやっていきます」と、12月以降も粘り強く2投手との交渉を最優先する方針だが、不測の事態にも柔軟に対応する。【桝井聡】