履正社・岡田龍生監督(58)が30日、阪神にドラフト2位で入団する井上広大外野手(18)に親心のメッセージを送った。

井上は11月19日の下校途中に大阪府内の駅で後ろからぶつかられ、階段で右足首を捻挫。一時は松葉づえをついて生活していた。不運な事故だが、恩師は「自覚を持って生活、行動しないと」と厳しく温かい言葉で注意を促した。

運が悪かった、で片付けてはいけない。「もう一高校生ではない。タイガースが何千万円もかけて契約してくれた立場だということを自覚しなければ、と叱りました」と岡田監督は明かした。松平一彦野球部長(42)も「ずっと見守ってくれる担当スカウトの心情を考えなければ」と諭したという。無事に入団の日を迎え、1日も早く1軍戦力になる。そのスタートでつまずいたことで、どれほど多くの人を心配させたか。それをわかってほしかった。

患部は順調に回復し、すでに松葉づえも不要となった。12月1日の球団施設見学は、元気な姿で参加できる見込みだ。「履正社の井上」から「阪神井上」に変わる今、普段からの緊張感の意味を恩師は説いた。【堀まどか】