日本野球連盟(JABA)による社会人野球年間表彰が11日、都内ホテルで行われ、元DeNAのJFE東日本・須田幸太投手(33)がベストナイン投手と最多勝(7勝)の表彰を受けた。

昨季までDeNAでプレーし、今年から古巣に復帰。プロでキャリアを終えた後も、社会人で活躍を続けた。

使命感を抱いていた。

「自分は何のために戻ってきたのか、この1年、後輩たちに言い続けてきました。それは都市対抗で優勝するためです」

有言実行で、今年の都市対抗でチーム初優勝に貢献した。

「JFEには、それだけの力があると、プロにいる間も伝えたいと思っていました。実現できてうれしいです」

元プロの社会人選手として、思うことがある。

「プロで挫折して戦力外になる人は、これからもたくさん出てくると思います。だけど、こういう道もある。戻って、もうひと花、咲かせられるよと伝えられたと思います」

ただし「プロでダメだったら社会人で、という気持ちでは、絶対に活躍できない」という。復帰した古巣では最年長となったが、若手にも壁を作ることなく接した。

「もう1回、初心に戻って、プロ野球選手のプライドを捨てました。プレー中は『俺が一番。打てるものなら打ってみろ』の精神。でも、生活の上では、俺はプロだからというのは捨てて『一緒に頑張ろう。分からないことは聞いてくれ。俺も聞くから』ということを心掛けました。その結果だと思います」

壇上では、中日ドラフト3位で、最優秀防御率賞に輝いた岡野祐一郎投手(25)と記念撮影に納まった。「社会人は岡野君が引っ張ってくれた。このままやったら新人王、取れると思います」と、プロへ進む岡野にエールを送った。【古川真弥】